今週の礼拝メッセージ
2002.1.13(SUN)
あわれみ
新城教会 滝元明牧師

新約聖書 ルカの福音書 6章35節〜36節
ただ、自分の敵を愛しなさい。彼らによくしてやり、返してもらうことを考えずに貸しなさい。そうすれば、あなたがたの受ける報いはすばらしく、あなたがたは、いと高き方の子どもになれます。なぜなら、いと高き方は、恩知らずの悪人にも、あわれみ深いからです。あなたがたの天の父があわれみ深いように、あなたがたも、あわれみ深くしなさい。

 ハレルヤ!私は今日この礼拝が終わってから、福岡で行われる九州リバイバル聖会に行きます。ぜひ、覚えて祈って下さい。今日は、「あわれみ」というテーマで学びます。これはイエス様が語られた素晴らしい御言葉です。

『ただ、自分の敵を愛しなさい。彼らによくしてやり、返してもらうことを考えずに貸しなさい。そうすれば、あなたがたの受ける報いはすばらしく、あなたがたは、いと高き方の子どもになれます。なぜなら、いと高き方は、恩知らずの悪人にも、あわれみ深いからです。あなたがたの天の父があわれみ深いように、あなたがたも、あわれみ深くしなさい。』

「あわれみ深くする」ということについて、私は一つの経験があります。私の母親は九十二才で天国に帰りました。イエス様を信じたのが八十二才でした。私の母親はとても頑なで、イエス様を信じるのに二十年くらいかかりました。私がよく母にイエス様の話しをすると、すぐに「今日は良い天気だなあ・・・」と話を逸らす難しい母親でした。ある日、母親が実家の前で働いていると、近くの道路を拡張するためにダイナマイトがかけられました。二百メートル以内は立入禁止ということになっていましたが、ダイナマイトの力がとても大きかったので、畑で仕事していた母親の背中に一つの石が飛んできて当たりました。頭ではなかったので命は助かりましたが、母は豊橋の病院に入院しました。その時母は悲しんで泣き、「明、痛いよ。」と言っているのです。私はそんな母を見て、とても可愛そうになり、母のために泣きながら祈りました。「イエス様。お母さんの痛みを取り除いてあげてください。」と心から祈ってあげました。感謝な事にその祈りが聞かれ、それから痛みが去り癒されました。
 私たちがこれから人のために祈るために、また、問題を解決するために、「あわれみの心」が必要です。しかし、真のあわれみをもっておられるのはイエス様なので、イエス様をよく知り、私たちがあわれみ深い人になりたいと思います。

『いと高き方は、恩知らずの悪人にも、あわれみ深いからです。』

と書かれています。世の中には悪い人がたくさんいますが、世の中にいるどんなに悪い人にも太陽の恵みが与えられ、また、雨が降り、さわやかな風が吹き、きれいな花が咲く・・・。神様はどんなに悪い人に対してもあわれみ深い方である、と聖書に記されています。ましてイエス様が十字架に付けられたことは、どんなに反抗している人に対してもイエス様のあわれみがあるのです。私たちは、神のあわれみなしにここにいることはできません。私の好きな御言葉の中に、『反抗する民に、終日愛の手を差し伸べていた』という言葉があります。神様はとてもあわれみ深い方です。『いと高き方は、恩知らずの悪人にも、あわれみ深いからです。』ですから、どんなに恩を知らないような悪い人をも神様は愛してくださっています。そのことを心に留めるべきです。
 「恩知らず」という言葉がありますが、私たちが受けた恩を知ることは大切です。受けた恩を感謝してそれに報いなければなりません。恩知らずになってはいけません。恩人と言いますが、あの人からこういう愛を受けたということに対して、私たちも恩を返すことが大切です。
 明日は成人式の祝いが成されます。最近は色々な問題があって成人式の祝いをしない所もあります。また、偶像の所に行って拝むこともあります。今日教会では成人した人たちを特別に祝福する素晴らしい一時があります。成人式は感謝なことです。これから一人前になります。やはり責任があります。成人した人たちは自分で大きくなったのではないので、親に対する感謝、親孝行の心を持つことが大切なことです。

『子どもたちよ。主にあって両親に従いなさい。これは正しいことだからです。「あなたの父と母を敬え。」これは第一の戒めであり、約束を伴ったものです。すなわち、「そうしたら、あなたはしあわせになり、地上で長生きする。」という約束です。』

と聖書に書かれています。私たちが心から親孝行して、恩返して仕えたら神様がそれに対して報いて下さるのです。
 今日私は九州に行きますが、昨年十一月にも九州を巡回しました。大分県の国見というところに行きました。そこで伝道している先生がいました。その先生は、三十六才まで銀行員をされていました。ある時に私の書いた「われ土方なれど」を読まれ感動して電話がかかってきました。「先生の本を読み、献身したいと思うのですが、先生、献身することは良いことですか?悪いことですか?どうしたら良いですか。」と言われました。そこで私は、献身を確かめるために愛知県民の森で集会があるので来なさいと言いました。彼女は忙しい中で一日だけ県民の森に来ました。その時の説教者は大川従道先生でした。「マタイの献身」というテーマで話されました。マタイは収税人で金のことばかり考えていたけど献身したという言葉を聞き、彼女は献身することを心に決めました。そして、その方は日本キリスト教団の学校に入って勉強しました。献身する前に、妹の学費を助けていました。また給料の中から親も助けていました。ですから、親がすごく反対しました。今まで助けてくれたのがなくなってしまうと考えたのだと思います。その時に彼女の教会の牧師が、「あなたが献身することを聞き、親はあなたに助けてもらえないと思って苦しんでいるから、あなたの持っている貯金を全部両親にあげなさい」と言いました。それで彼女は今までの貯金を全部両親にあげて、東京に勉強に行きました。素晴らしいことです。
 私は時々、献身したら親が反対して何もくれなかったと語りますが、それは良くないことだと思いました。その人は逆に献身する時にお金を親に全部あげたというのです。先生に聞きました。「先生、いくら貯金していたのですか。」「私は金にはケチでずっと貯めていました。二千万円ありました。それを全部上げました」と言いました。私たちが受けるだけではなく、与えることを考えることは素晴らしいです。それから東京に行くと、その証を聞いた人が感動し、「私の教会の会計係をして下さい」と言われ、皆の助けがあり、献身している間何一つ困らなかったそうです。それだけではなく、彼女のお父さんが大分空港の周辺に土地を持っており、空港が拡張することになり高い値で土地が売れたそうです。しばらくして家に帰ると、両親にあげたはずの二千万円を全部返してくれたそうです。
 親には与えることを考えなければなりません。これから成人する方は、もらうだけではなく、なるべく親孝行してください。これは大切なことです。イエス様が十二才の時のことが書かれています。

『それからイエスは、いっしょに下って行かれ、ナザレに帰って、両親に仕えられた。』

と書かれています。イエス様は神の御子でしたが、この地上でマリヤとヨセフの子どもとして、大工のせがれとしてこの地上に来られました。イエス様ご自身が両親に仕えられたと書かれているので、私たちも両親に仕えていきましょう。ローマ人への手紙一章十四節から十六節に、

『私は、ギリシヤ人にも未開人にも、知識のある人にも知識のない人にも、返さなければならない負債を負っています。ですから、私としては、ローマにいるあなたがたにも、ぜひ福音を伝えたいのです。私は福音を恥とは思いません。福音は、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、信じるすべての人にとって、救いを得させる神の力です。』

と書かれています。パウロが語った言葉です。十四節に、

『私は、ギリシヤ人にも未開人にも、知識のある人にも知識のない人にも、返さなければならない負債を負っています。』

負債と書かれています。負債とは借金です。その借金を払うためには福音を伝えなければならないと言っています。彼はイエス様を信じる人を迫害していましたが、多くの祈りによって救われました。本当の神様の恵みを知った時に、パウロは、「私みたいな罪人のかしらが救われた、信じただけで天国に行ける、この愛をどうしても皆に返さなくてはいけない、伝道しなければならない・・・負債がある」と語っています。
 私自身にも負債があると思っています。一九九三年の十一月五、六、七日と甲子園で集会をしました。その時に多くの方が助けてくださいました。時々振り返ると胸がいっぱいになります。私は忘れることができませんが、決起集会を七五〇ヶ所で行いました。私の友だちであった堺福音教会の我喜屋光雄先生が決起集会の時に、「滝元先生がとてつもない大きな事を考えて驚いている。友だちだから協力しようと思うけど、正直言ってよほど聖霊様が働かれなかったら成功しないと思います。しかし、どんなことがあっても協力することにしています。もし成功したら滝元と共に喜びます。また、もし失敗したら滝元と共に悲しみます。オーバーな言い方をしたら、この甲子園の戦いを滝元と共に戦い、また死ぬつもりで協力します。そこで私の教会では、このために八百人を動員します。また八百万円の献金をします。」と言われ、八百万円を献金してくれました。あの愛があったから甲子園が成功したと思いました。
 また、東京武道館で集会をしました。とても感謝な事がありました。その中でPPHの後で献金がありました。その後直ぐに飛行機で東京に行かなくてはならないので事務所に寄りました。すると、封筒に入った献金が届いていました。そこに小切手が入っていました。私は数字に弱いので、そこにいた姉妹に、「これはいくらですか?」と聞きました。「これはどう見ても一千万円です」と言われました。それは、誰かわかりませんでした。東京と関西の人とに何の関係があるのでしょうか。大阪から来た一人の姉妹が、「先生、長く考えましたが・・・。わずかですがお使いください。」と渡されました。見ると一千万円入っていました。大阪の人が東京のために喜んでささげて下さったことを見て、私は大阪に負い目があります。
 一昨年は東京で四十日集会をしましたので、今度は大阪で四十日の間ミッションをして福音を返したいと思い、大阪で四十日ミッションをすることが決まりました。今年の七月二十四日から四十日間、大阪で集会をすることになりました。負債を返すために福音を持って大阪にお礼をしたいのです。三十三日間は各教会を回って集会をします。その後は、大阪城野外音楽堂他で集会をします。クリスチャンは受けた愛を返さなくてはなりません。ですから、小さなことでも大きな事も恩を返すことが必要です。私には金がないけれど、福音というものでお返ししたいと思います。ですから、今年は四十日のためにお祈り下さい。四十日ということを提案して、北海道に行った時に断食をしました。新しい油注ぎと門が開かれるように祈りました。大阪のためにも覚えて下さい。また日本中の人に福音の負債を返すべきです。イエス様はあわれみ深い方ですので、私たちはイエス様のあわれみにすがりましょう。問題があったら何でもイエス様の前に切にあわれみを求めて祈ることが大切です。問題がある時に祈ってもらうことも良いですが、自分でも切に神様と取り組むことが大切だと思います。「神様、あわれんで下さい。助けてください。」と祈り求めたら神様は祈りに答えてくださいます。ヘブル二章十八節に、

『主は、ご自身が試みを受けて苦しまれたので、試みられている者たちを助けることがおできになるのです。』

と書かれています。苦しい時に誰かに頼むのではなく、イエス様に頼むことは素晴らしいです。旧約聖書を見ると、神様がとても恐ろしく見えます。罪を犯したら叩かれるような気がしますが、新約聖書は神が神の栄光の姿を捨てて、人間と同じようになって下さいました。そして同じようにイエス様が試練を受けられ、悲しみを通られました。イエス様が大声を出して叫び、血の滴るような汗を流しながらゲッセマネの園で祈られたことが書かれています。「父よ。お願いです。どうかこの杯を取り除いて下さい。しかし、わたしの心ではなく、あなたの御心がなりますように。」と祈りました。イエス様は苦しまれた方ですので、すべての人の苦しみを御存知です。だから、私たちがイエス様の前にあわれみを求めて祈ったら、どのような祈りでも聞いて下さいます。どんな問題があっても失望してはいけません。駄目なことはありません。本気でイエス様に取り組んだらイエス様が私を助けて素晴らしい人にして下さいます。特に私たちはあわれみのある人になりましょう。自己中心ではなく、人のことを考える人になりたいと思います。人に与えられるのではなく、与えることができる人になるように。また、慰められることを考えるより、慰めを与えることができるように。愛を受けるより、愛を与える人になることができるように祈っていきたいと思います。皆さんの側にも苦しんでいる人がいますので、心からあわれみ深い人になることができるようにお祈りましょう。
バックナンバー

戻る
戻る