最も大切な備え

新城教会牧師 上條 実
 真夏の暑い日や、雨が降る日でも、アリはせっせと食料を運んでいました。しかしキリギリスはそんな毎日働いているアリをバカにして歌を歌ったりして遊び暮らしていました。夏が過ぎ、秋も過ぎ、やがて冬がやってきました。キリギリスは寒さに震え、食べる物もなくなり、困り果てついにはアリの所に出かけて行きました。「何とか食料を分けてもらえないか」と頼むキリギリスの姿が印象的な、「アリとキリギリス」という有名なイソップ物語があります。
 日本人は世界の人々から「勤勉」「働き過ぎ」などと言われています。事実過労死という見出しが新聞紙上を飾ることも珍しくない世の中です。さて、そんな忙しい毎日を過ごしている私たちですが、果たして自分のために「備え」をしているでしょうか。
 二千年問題を目の前にして、今、特別な緊張感があります。食料の確保のみならず、預金通帳の記帳、燃料・水の確保等々の備えはお済みですか。
 しかし、人類はさらに大きな問題に対しての備えが必要です。仕事の面ではアリのようであっても、このための備えが出来ているでしょうか。それは「永遠」という点についてです。死は一人ひとりに迫り、人生の冬が近づきます。いつ何時、死が訪れるのか分かりません。しかしながら、大きな問題にも関わらず、死に対して真面目に考え、永遠をどこで過ごすかを準備している人は少ないのです。
 かつて、キリシタンと呼ばれる人々が、激しい迫害の中で信仰を守り通した歴史は有名です。なぜ彼らは死をも恐れず勇敢に信仰を守り通すことが出来たのでしょうか。それは永遠に対する準備が出来ていたからです。
 イエス・キリストは人類の罪のために死に、葬られ、三日目に甦られました。イエス・キリストを救い主として信じ受け入れる時、永遠の命が与えられ、死に対しての解決が与えられのです。クリスチャンにとって死は、恐怖よりも、永遠の世界の始まりです。もしもこの問題に対しての解決と備えがなく不安があるならば、ぜひ、教会にご連絡下さい。人生で最も大切な備えをして、幸せな人生を送られますようお祈りしています。

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