世界の希望、イエス・キリスト

新城教会牧師 滝元 順

 私は、今、「新城教会ニュース」の原稿を南米ペルーの首都リマで書いており、電子メールで原稿締め切り日ぎりぎりで原稿を送っています。大へん便利な時代になったものです。
 さて、新城教会には、十年ほど前から徐々に南米の人々が集いはじめ、今では「インターナショナル集会」として毎週土曜日の夜、百名以上の方々が集われています。そこでの人々は、やがて帰国されます。そんなわけで私は二年に一度ぐらい、南米各地に散っている方々を訪問し励ますようにしています。それで今回はペルーを訪問させていただきました。
 私にとってペルーは十年ぶりの再訪となりました。十年前、ペルーは、ゲリラによるテロ活動のまっただ中で、多くの公共施設が破壊され、外務省からは避難勧告が出されているような状態でした(前回は結構スリルがありました)。しかし現在はテロの危険も去り、町は生まれ変わっていました。
 人生は世界経済や政治の動向により、大きく左右されるものです。以前、南米に多くの日本人が新天地を求めて移住しましたが、ペルーもその一つです。当時は交通手段も発達しておらず、船で二ヶ月近くかかってやって来たそうです(今では名古屋空港から二十時間足らずでリマに到着します)。けれども、今日では逆に、南米全体の経済状態の悪化により、日系二世、三世が日本で働くために多く来日しています(日本で働いているペルー人は約二万人。最も多いブラジル人は二十万人と推定されています)。
 そしてそんな狭間には、多くの問題も発生しており、国際社会の激動に翻弄され家庭が崩壊したり、人生が完全に狂ってしまった人々も少なくありません。新城教会のインターナショナル部門の働きは、そんな異国で苦しむ南米の方々に、イエス・キリストによる、愛と救いを紹介する為のものです。そこでイエス・キリストと出会い、帰国された人の数は少なくありません。そして、そんな方々との再会は、私たちにとって、逆に、大きな励ましと力になりました。
 今回、十年ほど前、豊川市で働いておられたペルー人家族と再会しました。家族の一部が日本に出稼ぎに行き、経済的には豊かになったようですが、やがて家庭は崩壊して行きました。特に、ペルーに残された息子が麻薬中毒者となって身を崩し、日本にいる家族を苦しめる結果となったのです。そんな中で新城教会に来られ、人生において最も大切なものはお金ではなく、「創造者なる神と出会うこと」であると知り、帰国されたのです。約十年という年月を経て、彼らは全く変わっていました。日本おいてイエス・キリストと出会ったことをきっかけに、家族の殆どがクリスチャンとなりました。中でも麻薬中毒者であった息子が麻薬から解放され、今では神学校(牧師や伝道者を養成する学校)の生徒となっていました。彼は二年後、牧師として多くの苦しんでいる人々を助けるために働きを始めるそうです。
 世界中どこででも、イエス・キリストの中に「希望」があるのです。イエスさまはすばらしいですね!!

  

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