まにあいますか

新城教会牧師 滝元 明

 少しほど前のことですが、私は伝道旅行の帰りに、東京から新幹線の座席指定車に乗りました。すると私の隣の席に80歳程の老紳士が座られました。その方は立派な口髭をたくわえており、昔の軍人を思わせるような方でした。私はその方に「どちらまで行かれるのですか。」と声をかけると、「豊橋まで行き、そこから名鉄に乗って挙母まで行きます。」「私も豊橋まで行き、飯田線で茶臼山駅まで行きます。」それから互いに話しに花が咲き、その方の昔話を聞かせて頂きました。
 その方は戦争中、飛行機に乗っていて終戦まで挙母の飛行学校の教官をされていたと、その当時のことを約一時間程語ってくださいました。そのあと私もその方に自己紹介をして「私もあなたも、もう70歳過ぎています、お互いに人生の夕暮れですね。これからは、はっきりと自分がどこに行くのか準備しなくてはなりませんね。」それから私が東京に勉強に行っていた時、19歳の時はじめてキリスト教会に行き天地を創造された神と出会ったことを話しました。そして、人類の救い主として十字架につけられて死に、三日目に蘇られた主イエスキリストを信じたときから罪が赦され、いつ死んでも天国に行けると証しさせて頂きました。するとその方は、「私の二人の息子は、ひとりはアメリカに、もうひとりはヨーロッパで、銀行の支店長をしていますが、二人ともクリスチャンになりました。しかし私は仏です。」そこで私は、聖書のヨハネによる福音書3章16節「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」と話し、「ただ、信じるだけで永遠のいのちが与えられます。」と語りますと、その方は真剣な顔で「まだ、まにあいますか。」と質問されました。私は「はい、だれでも主イエスを信じるだけで、救われて天国行きにまにあうのです。」と答えました。

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