最近嬉しかったこと

新城教会牧師 滝元 明

 私たち夫婦には7人の子どもがおり、それぞれが結婚をして、現在21人の孫に恵まれております。
 つい最近のこと、昨年就職した一人の孫から、「ぼくね、いつもお世話になっているおじいちゃんと、おばあちゃんを食事に招待したいと思っていたんだけれど、ボーナスをもらったから、今晩一緒にレストランに行ってくれない」という嬉しい電話がかかってきました。孫の誘いで、私たち夫婦は豊川の四川飯店に行き、ご馳走になりました。心から楽しいひとときを過ごし、温かい孫の気持ちに感謝しました。
 この孫のことですが、彼は就職して初めてもらった給料で、一人の方を食事に招待しました。その人は、毎週新城教会の礼拝に来ているMさんでした。それには訳がありました。
 彼が小学校一年生のある朝、学校に行く時、どういうわけか友人たちからおいていかれてしまい、ひとりぼっちになって、悲しくて公園で泣いていたのです。そこへちょうど会社へ出勤する途中のMさんが通りがかり、彼を見つけ、会社に遅刻するかも知れないのに、わざわざ、彼の手を引いて学校まで連れて行ってくれたというのです。彼はその愛をずっと覚えていて、最初の給料でMさんに感謝をしたのです。
 私にも、前々からお礼をしたい人がいました。私は17歳の時、勉強のために東京へ行くことになっていましたが、その前に、当時、豊橋に働きに行っていた兄が、私にトンカツをご馳走してくれたのです。山の中に育った私は、生まれて初めてトンカツというものを食べて、「世界にこんなに美味しいものがあったのか」と思いました。ずっとそのことを心に留めていた私は、兄に、美味しいトンカツをご馳走したいと思い、もう80歳にもなっている兄を誘い、先日、豊橋で57年ぶりに感謝を表すことができました。兄と共に食事をしたとき、とても心が豊かになりました。
 聖書には「感謝することを知らない者になるな」と教えています。人から受けた愛を忘れず感謝することは、心を豊かにし、神様に祝福されることなのです。

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