終末は近づいている!!

新城教会牧師 滝元 順

 この御国の福音は全世界に宣べ伝えられて、すべての国民にあかしされ、それから、終わりの日が来ます。
                マタイの福音書24章14節

 紀元2,000年を目の前にして、ちまたでは終末的話題が多くなりつつあります。インターネット検索で「終末」をキーワードで検索すれば、何千というホームページが出てきます。かつて紀元1,000年を前に、人類は大いに終末思想で盛り上がったそうです。人々は世の終わりを恐れ、未来を予知しようとオカルトに走ったと言われます。しかし、紀元1,000年は何もなかったかのように過ぎ去りました。
 さて、いよいよ人類は、紀元2,000年を迎えようとしています。しかし、今回は千年前と違い、だいぶ終末の舞台装置も整っているかのように見えます。世界は近年、混乱の一途を辿っています。環境、人種、経済、社会、教育、その他、どの領域においても不安な暗雲が立ちこめています。これからどうなるのでしょうか。ノストラダムスの予言が無くとも、誰が見ても人類の先行きには不安材料が山積みです。どれもこれも、人類の力ではどうしようもないものばかりです。実は、これらは全て、聖書の預言の成就なのです。
 イエス様の語られた、終末のサインとして最大のものは、「福音が世界規模に広がる」というものでした。イエス様がこの事を預言された時点では、イエス様の側近はたったの12人でした。その上、彼らはユダヤ教の指導者からは異端扱いされ、当時のローマ政府からも迫害され、教えが全世界規模で広がるなどとは、全く不可能に近い状況でした。しかしながら、その後のキリスト教宣教の前進はすさまじく、現時点において、世界人口の約3分の1はキリスト教徒であり、聖書の翻訳言語数も、97年12月現在で2,197言語に及び、まもなく全ての民族が、自分の言語で聖書を手にすることになります。また、世界中の教会が、福音の伝えられていない地に、積極的に宣教師を派遣しており、イエス・キリストについて知らない人口は益々少なくなっています。
 近年、マスメディアや通信の発達により、一度に多くの人々が福音を聞くことができるようにもなりました。イエス様は全世界の人々が福音を「信じたら」終わりが来る、とは語らず、福音が全世界に「宣べ伝えられて」終わりが来る、と預言されたのです。それは、全世界の人々が、イエス・キリストについて「聞いて」から、終末が訪れるという意味です。
 紀元2,000年は何事もなかったかのように過ぎ去るかもしれません。しかしながら、前述したような状況から、人類の終末はかなり近づいていると云えます。その最も大きなサインが、「キリスト教宣教の拡大」です。


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