神にとって不可能はありません

新城教会牧師 滝元 順

 6月15日から29日まで、アルゼンチンとブラジルを訪問させていただきました。その目的は、現地の教会に招かれ奉仕する事と、もう一つ、新城教会でクリスチャンとなり帰国された方々を訪ね、励ます事でもありました。多くの懐かしい方々と再会しましたが、ブラジルでは、3年前に帰国された印象深いご夫婦にも再会しました。
 この二人は、新城教会に来られた時、実に様々な悩みを抱えていました。ブラジル人の奥さんとイラン人の夫という不思議なカップルで、日本で知り合い結婚されたようですが、コミュニケーションの方法は片言の日本語だけでした。それに加え、妻はカトリック教徒、夫はイスラム教徒で、持ち合わせた概念の異なる二人は、互いに全く妥協できませんでした。聖書は離婚を否定し、結婚を神が合わせたものとして尊ぶよう教えています。しかし、それぞれの主張を聞きながら、現実問題としてあまりにも無理が多く、離婚が最善の道のように思われました。その上、夫は不法滞在者で、日本に合法的に滞在できない身分でもありました。そのような絶対解決不可能な状況を前にして、私たちは、イエス様に助けを求め、「この夫婦が互いに理解し合い、愛し合えるように。そして、本物の神と出会えるように」と祈りました。すると、不思議なことが起こり、彼らは真の神であるイエス様に出会ったのです。絶対回復不可能な夫婦関係は劇的に回復し、愛し合い、受け入れ合うようになりました。強烈な神との出会いを体験し、彼はイスラムの神ではなく、イエス・キリストが真の神であると、はっきり理解しました。また奥さんも、カトリックのマリア崇拝ではなく、ただ、イエス・キリストを礼拝する事が真のキリスト教の姿だと知ったのです。
 ところが、もう一つ大きな問題が発生しました。奥さんが妊娠し、様々な現実からブラジルに帰国しなければならなくなったのです。彼が妻と共に帰国手続きのために入国管理事務所へ出向くなら、不法滞在が発覚し、イランへの強制送還は間違いありません。それは、妻と引き離されるだけでなく、死をも意味します。なぜなら、イスラム教徒が自分の宗教を変えるならば、イスラム法により、死刑となるからです。絶体絶命の状況でした。
 しかし、彼はクリスチャンとなり、自分の罪を自覚し、勇気を持って入国管理事務所に出頭したのです。もちろん、入管は強制送還の手続きを開始しました。その時私たちは、全ての権威を持つ神に助けを求めて祈りました。すると不思議な道が備えられ、この夫妻のブラジル出国が許されたのです。
 今回、このご夫妻が、私たちのブラジル訪問を聞きつけ、数百キロも離れたところから、会いに来てくれたのです。イラン人の彼は、何とブラジルの国籍を取得しておられました。そして、夫婦は、奥さんの母国語、ポルトガル語で自由に会話されていました。元気な子どもも与えられ、幸せに暮らしておられたのです。ご夫妻は、「イエス・キリストが、私たちを救ってくれました」と言って、神を誉め讃えておられました。
 神にとって不可能は何もないのです。国々の上におられ、国々を支配されている真の神はイエス・キリストです。あなたの解決不可能な問題をイエス様の所に持ってきてみませんか。



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