夫婦における
男性と女性の役割


新城教会牧師 滝元 順
神はこのように、人をご自身のかたちに創造された。神のかたちに彼を創造し、男と女とに彼らを創造された。 創世記1章27節

 平成7年に行われた国勢調査の結果によりますと、男子が61,574,398人,女子が63,995,848人で人口性比(女子100人に対する男子の数)は96.2となっています。(女性が多いのは女性の平均寿命が男性より長いことが考えられます)どの国の統計を見ても、ほぼ男女のバランスがとれているのは不思議なことです。まさしく神の存在を証明する一つの根拠です。女性により男性はこの世に生まれます。ですから、女性が先にこの世に誕生し、後に男性が出現したのでしょうか。それはニワトリが先か、たまごが先かという議論と同じです。神様はまず「アダム・男」を「ご自分に似せて」創造し、それから「エバ・女」を創造されました。
 近年、遺伝子工学の発展により、男性がいなければ女性は存在しないことが分かっています。一般でも広く知られているように、男女を特定づける遺伝子的要素は染色体によって決まります。人間は通常23対の染色体を有しますが、その内、1対の「性染色体」の遺伝子により、性の分化が左右されます。女性の性染色体はXX、男性はXYです。この性染色体の「XXか、XYか」が男女の判断の全ての基準になるそうです。要するに、女性は男性の持っている「Y」染色体を持っていないのですから、女性が先では男性は生まれないことが分かります。神様は、最初に男性を創造し、その後、男性から取り出した一部に今話題になっている遺伝子操作を施され、女性を創りあげられたのでしょう。いずれにしても、科学の発展と聖書の記述が矛盾しないのは、聖書が神からの書物であることの証明です。
 先述したように、男性は唯一、「神に似せて」創造された存在です。しかしながらそれは、男性優位主義に基づくものではないことを強調したいと思います。旧約聖書に登場する神様はきわめて男性的であり、男性神のようにさえ感じます。しかし、その理解は反対で、先に神が存在し、神のイメージが男性にもたらされているが故に、そのように感じるのです。
 最近、夫婦間の暴力を禁止する条例制定の動きが東京都などであります。夫による妻に対する暴力、いわゆるドメスティック・バイオレンスにより、日本でも年間100人以上の死亡者が出ていると報告されていました。なぜ、男性は女性を支配するのでしょうか。それは、男性の性格の根底に、神ご自身の性質に似せられた「力と権威」という資質があるからです。本来、それは家庭を守るために神が男性に与えたものです。しかしながら、多くの場合、その資質が、内部の女性に向けられているのです。男性が神の計画から外れ、ただ自分の感情により、力と権威を行使するならば、相手を服従させることは出来ても、失う領域も多いのです。
 女性は男性のための「助け手」として創られたと聖書は教えています。言い換えれば、夫は家庭を守るために第一に神に従い、与えられた権威を家庭を壊そうとする存在に向かって行使し、妻はその夫の働きを、祈りによって助けるとき、家庭は不幸から守られ、子ども達は健やかに育つのです。
 この様に、聖書は見えない世界での夫と、妻の役割を教えています。お互いの基本を認め、役割を認識するとき、夫婦間にある問題も自然に消え去って行くと信じます。
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