あなたは
高価で尊い存在です


新城教会牧師 滝元 順
わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。         イザヤ書43章4節

 この言葉は、神が人に対して抱いている気持ちを率直に現している有名な一節です。神が人に価値をつけ、「高価で尊い」と語っておられるとは、何と素晴らしい事でしょうか。
 神は何らかの目的を持って人類を創造されました。故に、神は人間に恐怖を与えたり、呪いを与えるような存在ではないはずです。日本人の中には、神とは罰を与えたり、たたったりする存在という恐怖観念がありますが、真の神は「人類に祝福を与え、人類を愛している存在」です。
 ある物体に価値をつける為には、同じ種類の物と比較して評価します。もしも「高価な時計」があるということは、一方では、「安物の時計が存在する」という証明でもあります。では、人に対して「高価で尊い」とは、価値のない人間も存在するという事なのでしょうか。
 ある知的障害を持った子ども達の施設での出来事です。先生は子どもたちを集めて、お金の価値について話しました。10円玉と100円玉、そして、500円玉を机の上に並べ、その価値について話しました。10円は10枚集めると100円になり、100円は5枚集めると500円になることを、分かりやすく実物を使って説明したのです。そして、「この中で一番価値あるお金はどれですか?」と質問しました。すると一人の女の子がすぐさま、「10円!」と答えたそうです。それを聞いた先生はがっかりして、もう一度お金の価値について、ていねいに説明し再度質問しました。すると女の子は、「10円!」と大声で答えたのです。不思議に思った先生は、「なぜ、10円玉が一番価値のあるお金と言うの?」と聞くと、彼女は次のように答えたそうです。「10円はお母さんに電話できるから!」寮生活をしていた彼女にとって一番幸せな時間は、寮に備えてあった10円玉専用の公衆電話から、大好きなお母さんの声を聞くことでした。ですから彼女にとって10円玉はどうしても、なくてはならない大切なお金だったのです。
 神はあなたを誰かと比較して「高価で尊い」と言われているのではないのです。あなたは、神にとっても人にとっても重要な、なくてはならない、絶対的価値を持った存在なのです。また、愛とは、決して強制出来ないものです。その愛に気づき、愛に応えるとき愛が現実のものとなります。クリスマスは神が人類を愛している最も大きな証拠です。それは人類を救うために、神が人となってこの世に来て下さった日だからです。あなたもその愛に応えて下さい。
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