たいせつなきみ
滝元 順 牧師
 近頃、ちまたで話題になっている絵本に、「たいせつなきみ」(Forest
Books)があります。作者のマックス・ルケードはベストセラー作家で、同時に彼はテキサス州アントニオにある教会の牧師です。その内容は、エリという彫刻家によって彫られた「ウイミックス」というこびとたちが、お互いに、成功すれば金の星印を、失敗すれば灰色のだめシールをくっつけ合っているところから始まります。中でも、「パンチネロ」という名のウイミックスは、失敗を重ね、だめシールばかり貼られて完全に自信を失っていたのでした。しかし、ある日、彼はルシアというどちらのシールも全くついていないウイミックスに出会います。彼は不思議に思いその理由を尋ねると、ルシアは、彼らを作った彫刻家エリの所に言って毎日話をすることがシールが張り付かない秘訣であると教えてくれました。それで彼は恐る恐るエリの所を訪れました。するとエリはパンチネロを持ち上げて作業台に乗せて言いました。「沢山だめシールを付けられたものだね。」彼はすかさず、「僕は一生懸命やったんだ。だめシールを付けられるつもりじぁなかったんだ。」と弁解します。するとエリは言いました。「ああ、何もかもわかっているよ。愛しい子。他の誰かがおまえのことを何と思おうと構いはしないさ。だめシールを貼ったのはおまえと同じウイミックスではないか。みんなが何と思うかなんて大したことはないんだ。問題は、私がどう思っているかだよ。そして私は、おまえのことをとても大切だと思っている。」パンチネロは、その言葉を聞いてうれしくて言葉も出なかった、という物語です。
 この絵本によってどんなに多くの疲れを覚えている人々が慰められているでしょうか。私たちは他人の評価によって一喜一憂するものです。ある時はその評価に傷つき倒れます。しかし創造された神のところに行くとき、その評価は人の評価と違うのです。神はあなたに言われます。

「わたしの目にはあなたは高価で尊い。
             わたしはあなたを愛している。   聖書」

バックナンバー
戻る
戻る