母の日と神の愛
滝元 順 牧師
 5月最大のイベントはやはり、何と言っても母の日です。その起源は古代ギリシャにあるようですが、「5月の第二日曜日を母に感謝する日に」と提唱したのは、米・ウエストバージニア州のアンナ・ジャービスさんでした。教会の日曜学校の先生だった母の命日に運動を始め、小さな教会で特別礼拝を行いました。それから6年後の1914年、母の日はアメリカの祝日となり、戦後、日本にも広まりました。現在、母の日は、世界46か国以上に拡大し、それぞれの国や地域ならではの祝い方で、子どもたちは母への感謝の気持ちを表しています。
 さて、母の愛は人が持っている愛情の中でも、とりわけ崇高なものであるように思います。「愛」とは目に見えないものですが、確実に存在する不思議なものです。日本語において「愛」を表す単語は一種類しかありませんが、聖書の中に使われているギリシャ語の愛には、男女間の愛、友人同士の愛、母の子どもに対する愛、そして、神が人に対して抱いている愛の四つに区別されています。男女の愛はある意味で、奪い合う愛でもあります。何らかのメリットがある場合に愛は成立しますが、互いに利益を見いだせなくなると消滅してしまう哀しい愛です。しかしながら、母が我が子に抱いている愛情は「与える愛」であり、我が子のためなら、自分の命でも惜しげなく捧げるほどの愛情です。しかし、自分の子ども以外にその愛を同様に表すことはできません。
 聖書においてご自分を表しておられる唯一の神は、全ての人々に対して、分け隔てなく、利益なしの愛情を注がれています。・・・あなたも愛されています。

「わたしの目にはあなたは高価で尊い。
             わたしはあなたを愛している。   聖書」

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