いのちのパン
滝元順

新城教会主任牧師
滝元順

日本再生のために

 日本の不況は各界の懸命の努力にもかかわらず、とどまる気配がありません。株価は毎日のように最安値を更新し、内外には不安要素が山積みです。ここまでグローバル化が進むと、一国だけの対応ではどうにもならず、世界的な構造不況の中で翻弄される小舟、日本丸の将来はどうなるのでしょうか。
 日本経済は戦後の混乱の中、朝鮮動乱の特需により息を吹き返し、高度成長時代からバブルの最盛期に至るまで世界に君臨してきました。世界には、次の食事も保証されずに苦しんでいる人々が多くいるただ中で、日本国民は長く続いた好景気が、あたかも当然かのように考えてきました。しかし今日、事態は変化しています。聖書の有名な言葉の中に、「順境の日には喜び、逆境の日には反省せよ。これもあれも神のなさること。それは後の事を人にわからせないためである。」とあります。
 ある意味において人の営みのすべては、経済活動に集約されると言っても良いでしょう。科学も、教育も、医学も、そして、宗教さえも経済活動の繁栄のためにあると言って過言ではありません。しかし現在、その経済が弱体化しているのです。この事態がどの様に大きな意味を持つのかについて、私たちは深く考える必要があるのです。
 残念ながら人類は順境が続くと、知らないうちに思い上がり、高ぶってしまう傾向があります。そして、歴史から学べることは、高ぶりが極致に達するとき、「国が滅びる」という悲しい史実です。 しかし逆境が国を襲うとき、国民は自然に反省しはじめ、態度は高ぶりから謙遜へと変えられ、歴史は継続されているのです。聖書は、「これもあれも神のなさること。それは後の事を人にわからせないためである。」と告げています。いま神が日本に望んでおられることは「反省」です。そして、この反省こそ、後に大きな祝福をもたらすカギとなるのです。
 具体的に「高ぶり」、「反省」とは何でしょうか。聖書の言う高ぶりとは、「神なしでも生きていける、神さえも利用して自己実現を図る」という考え方であり、反省とは、「神に従って生きる人生への転換」を意味します。これは、個人にも、国家の将来にも適応される回復への原則です。このように長く続く不況の中で、神が日本に何を語られているのか、耳を傾けてみようではありませんか。

「高ぶりは破滅に先立ち、心の高慢は倒れに先立つ。 箴言16章18節」

共に声に出して祈りましょう。
祈り:神様、あなたを無視して生きてきたことをお赦しください。これから私は、あなたに従って生きていきます。私の人生を、また、日本を回復してください。イエス様のお名前によって祈ります。アーメンバックナンバー


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