人を恐れずに神に従う

鐘紡株式会社顧問  三谷康人さん


「クリスチャンは、弱いから神に頼るんだ」三谷さんもかつてはそんな思いを持った一人だった。ところが、クリスチャンとなって、神の愛に支えられた君子夫人の平安と確信に満ちた変わり様を見て、それまでの先入観が拭い去ら
れ、やがて三谷さん自身もイエスキリストを信じた。以来、「信仰」「仕事」「家庭」の三項目ごとに、年間目標を立てて一年一年を過ごして来た。それは、一流の会社に入社し、出世して幸せな家庭を築き、子どもたちを立派に育て上げることが、男としてやりがいのある人生だと思ってきたからだ。しかし君子さんは言った。「出世は望みません。神様に喜ばれる生き方をして下さい。」その言葉で気がついた。「いざとなったら退職しても良い。クリスチャンとして人を恐れず、神に従って生きよう。」そして周りの反対を恐れずに、信じたことを言う力を神様は下さった。もっともその分、摩擦は多くなったが、対立している人のことを祈って行くと相手を受け入れる心が与えられ、相手も心を開いてくれるようになった。目先の評価を求めず、私利私欲を捨てれば、事業そのものの本質や将来のビジョン、問題解決の道筋が客観的に見えてきて、先手を打つことができるようになる。その結果会社の利益向上につながり、表面的ではない誠実で、公平、嘘を言わない人として信頼を勝ち取って行った。
 94年には全社2万5000人の中でNO.2の筆頭専務取締役へと上り詰め、社長、会長を歴任した。出世を度外視して、「今、自分は神が第一だろうか」と常に自問しながら働いてきた結果だった。国際化時代に入り、規制緩和が進む中、日本の企業は、これまでのような目先の利害に左右されやすい集団追随型の「イエスマン」を必要としない。三谷さんのような、地位、名誉、金銭といった目に見えるものに左右されない、神の知恵に頼る謙虚さと、全能の神を後ろ盾にした強さを兼ね備えた人物が求められているのだ。「私は元来気弱で内気なんです。でも問題にぶつかるたびに、祈って乗り越えてきました。神を信じるときに力を得ます。不安は平安に変えられ、喜びと希望がわいてきます。」一流企業のトップに上り詰めた三谷さんの成功の秘訣がここにあるようだ。

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