拭い去れない恐怖と憎しみ

中澤唯記子さんと魁人くん(2歳)


 
 高校一年生の時友達に誘われて新城教会に初めて訪れました。そこにいた人達が皆生き生きとしていて輝いて見えたことが、その後も私を教会へと惹きつけました。
 小さな頃から私の家庭は父親が巻き起こす様々なトラブルに悩まされ、普通とは程遠い暮らしを強いられ、家族は苦労を味わわされてきました。私は、そんな父親をとても憎んでいました。輝いたクリスチャンたちを見て、そんな気持ちから解放されるのではと思いました。そしてしばらく教会に通い、イエス様を信じました。しかし再び色々な遊びに心が奪われ、教会に行かなくても楽しく過ごせるのではと思うようになりました。教会を離れ、結婚し、出産し、教会のことなどまったく頭にない生活が15年もすぎた頃です。世の中では、様々な事件が起きていました。少年による凶悪犯罪、子どもたちはナイフを携帯し、いじめに不登校。残虐な事件を毎日テレビや新聞で目にしていました。日本はどうなってしまったのか。不安がだんだん大きくなって、夜も眠れない程の異常な恐怖に駆られるようになりました。ところがそんな日々に、昔、教会で過ごした頃の一場面を、思い出したり夢に見る事が増えていきました。とっくに忘れていたはずの情景や、聖書の言葉などが、パッと蘇ってくるのです。ある日、子どもの世話をしているとき、05362-3-4800という電話番号が浮かびました。局番からして新城らしいのですが、私と新城市との関わりは教会ぐらいしか思い当たりません。ドキドキしながら試しにかけてみるとそれはやはり教会のテレフォンサービスでした。私は決して数字を暗記するのが得意ではないのです。それから時々そのサービスに電話するようになりました。イエス様が十字架にかかったのは私の罪のためだったというメッセージだけが心に深く止まりました。どうしてももっと話が聞きたくなり、牧師先生にお会いして、今の私の恐怖心について聞いてもらいました。そして祈っていただいた時、本当に真っ暗だった心の中に光が差し込んできた感じがしました。イエス様が私を導いていることを感じ、教会へ再び行ってみようと思いました。
  今私はクリスチャンとして幸せに過ごしています。言いようのない恐怖心と、一生「お父さん」と呼べないだろうと思う程の父親への憎しみも、嘘のように消えてしまいました。毎日父の祝福を祈り、定期的に訪ね、父も教会へ来てくれるようになりました。今、心から願うことは、父も家族も周囲の人もこの素晴らしいイエス様に出会ってほしいということです。
 
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