「恐れるな。わたしはあなたとともにいる。
たじろぐな。わたしがあなたの神だから。」

浜中 満さん

 クリスチャンホームで育った私にとって、神様を信じることはごく自然の事でした。しかし成長するにつれ、自分の中の欲望がだんだんと大きく膨らみだしてきました。「自分の望むままに様々な楽しい事を経験し、自分の思い通りに生きていこう。神なんているものか。」こうして大学へ進学する時には完全に信仰を捨て去っていました。自分の欲望のままに日々を過ごし、卒業後、会社へ就職してからは「自分の人生は自分で切り開く。知恵を磨き力をつけて、世の中を生き抜いていく。富と力と名誉を勝ち取って幸せになる」と考えていました。しかし経済的に豊かであっても心は渇いていました。毎晩続く深夜残業、そしてストレス。がむしゃらに働いている姿はまるで“輪の中のハツカネズミ”のようでした。「ノルマ必達」の名のもとに疲れた心を引きずって奮闘していました。しかし同期社員の自殺や上司の降格、取締役員の失脚などを見た時に、自分の追い求めていたものがいつかは必ず過ぎ去って消えゆくものだと気づかされました。その時 私の心の片隅に昔聞いた聖書の言葉が残っていました。「人は、たとい全世界を得ても、いのちを損じたら何の得がありましょう。」追われるようにして忙しい日々を生き、目の前のはかない楽しみと共に走り続けてきました。豊かでしたが幸せではありませんでした。私は「いつか消えるものを求めるのでなく、永遠に続くものを求めたい」という気持ちに変わりました。神様のもとに帰ってきた時、あふれる喜びと平安がありました。今までどんなに仲の良い親友と苦楽を共にしても、結局は自分で生きてきました。けれども今は神様がいつも私と一緒にいて下さり、愛と喜びと平安を与え続けて下さいます。

 「恐れるな。わたしはあなたとともにいる。たじろぐな。わたしがあなたの神だから。」     (イザヤ41:10)

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