暗闇から光に

加藤 智美さん

 小学生の頃、私は日曜学校に行っていました。先生のお話は、頭では理解できましたが、信じるというより「もし、これが本当だったらどうしよう」と、いつも思っていました。
 その頃、私は「目に見えない世界」に大変興味を持っていました。俗に言う「幽霊」や、「お化け」は存在すると信じていました。その手のテレビ番組や、本、雑誌などは片っ端から読み、ますます「幽霊」「お化け」を肯定し、心の中に暗闇の世界に対する恐怖心が湧いていました。この頃、まさかこの暗闇の世界が聖書の世界に敵対しているとは知る由もありませんでした。
 中学になると教会には行かなくなりましたが、短大で一人のクリスチャンの女性と出会いました。ある時、教会で持たれた家庭的な雰囲気の集会に誘われ、私は未信者でしたが一緒について行きました。数名の女性だけの集りでしたが、皆で賛美をし、お互いに祈り合い、聖書からのお話しも聞きました。私は日曜学校時代を想い出し、神さまをとても身近に感じていたのです。
 プログラムも終わりにさしかかった頃、突然「ウー」という低い男性の声が耳に入りました。気のせいだと思いましたが、その後も部屋の隅から、反対側から、また違う所から、と他の人も同じ男性の低いうめき声を聞いていたのです。その場にいた全員が背筋をゾーッとさせ、その夜はなかなか寝付けなかったのを覚えています。当時私は、某天神の札(お守り)をふで箱に入れて持ち歩いていました。その札の背後の悪しき霊が、生ける真実の神イエス様を中心とした集いの中、いたたまれず、うめき声をあげたのでした。
聖書は、この世には悪しき霊が支配する暗闇の世界があるとハッキリ言っています。また悪しき霊は、何とかして人間を地獄へ引きずり込もうとしていること、そしてそれに立ち向かえるのは、イエスさまと、その権威をいただいたクリスチャンだけだ、ということがわかりました。
 あの一件を通して私は、無防備に興味を持っていた暗闇の世界との決別を決心し、愛なる神さまの光の中に入れられ、救いを得ました。

「あなたがたは、以前は暗やみでし たが、今は、主にあって光となり ました。     エペソ5:8」



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