僧侶から宣教師に

武藤功史・エディレーニご夫妻

 私は小学生の頃から死という問題について考え、死後の世界に恐怖心を抱いていました。その解決を求め、仏教を信仰し始めました。善行を心掛け、自分は極楽往生できると言い聞かせつつも、確信が持てません。遂にその道を極めようと決心し訪れた近くの寺では、仏教大学の費用も出すからぜひ後を継いで欲しいと頼まれました。12歳にして僧侶になるべく道を歩み、心から仏道を慕い自分で入手した仏像の前にいつも座り、経を唱えていましたが、死のことを考えるとやはり自信がありませんでした。そんな中で友人に誘われ教会に行ってみました。
 一回だけと思って行った教会は、非常に雰囲気の良い所でした。そしてそこで、力強い聖書の話を聞きました。「これだ、これに違いない。」話を聞きながら思わず口走っていました。そして私の罪のために身代わりとなってくださったイエス様を信じる決心をしました。それからというもの、私の人生は不思議と変わっていったのです。希望と確信に満ちた道を歩むようになりました。
 それから後、私を罪と死の恐怖から解放してくださったイエス様のために全生涯を捧げようと思うようになりました。大学卒業を前に、就職するのをやめ、宣教師になるべく訓練を受けようと、キリスト教の盛んな国、ブラジルに渡ることにしました。しかし旅費と滞在費がなかったのでアルバイトをしながら、日々祈っていました。「神様、もしあなたがお許しになるのならブラジル行きの必要なお金が与えられますように。」すると不思議な方法で神様は祈りに応えられました。
 ある教会の若者の集会で歌と説教をしに行った時のことです。集会後、ひとりの婦人が私に近づいてきて、頭痛が癒されるように祈ってほしいと言われました。毎朝、頭痛で目を覚ましていたという彼女のためにお祈りをし、帰って来ました。すると翌日頭痛がなくなっていたそうです。次の日も、その次の日も・・・。一週間ぐらい経ってから、彼女から封筒が届きました。ずいぶん厚みのあるもので開けてみると何とそこには万札がぎっしり入っていました。同封の手紙には「ブラジル行きに役立ててください。」と書かれてありました。その方と、そして神様に感謝しました。その他いろいろな方法で必要なお金は与えられ、私は確信を持ってブラジルに旅立ちました。
 ブラジルに着いていろいろ探した結果、ある田舎の神学校で学ぶことにしました。そこで現在の妻エディに会いました。エディもかつては、霊術信仰と共にカトリック教を熱心に信奉していましたが、私と同じく12歳のころイエス様を信じ、人生の変化を経験した一人でした。
 私たち二人はブラジルでの訓練と学びを終えて日本に帰ってきました。いま、イエス様のために二人で働くことができることを喜びとしています。神様の導きに感謝します。




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