天にある国籍

山崎ランサム和彦・ドリアご夫妻
 私たち夫婦は、今年の4月に結婚して、新城市に住むようになりました。日本人の夫とアメリカ人の妻というカップルです。
 アメリカという国は、日本人にとっては、身近なようで遠い国です。私たちの身の回りには、映画や音楽、食べ物、ファッションなど、アメリカから来たものが溢れています。けれども、私たちが知っているそんなアメリカは、実は本当の「アメリカ」のごく一部にしか過ぎないのかも知れません。
 私たちは国際結婚という経験を通して、そのことを実感しました。一緒に生活するようになって、お互いのさまざまな違いが浮き彫りにされてきました。それは例えば朝起きたときから始まります。典型的な日本の朝食はご飯にみそ汁、漬け物など、塩辛いものが多いようですが、アメリカ人の妻は、シリアルやホットケーキ、ペーストリーなど、甘いものをほしがります。そのような日常生活の些細な点から、物の考え方や感情の表し方に至るまで、「日本の常識はアメリカの非常識」、またその逆もあることが分かってきました。それはどちらが正しいかという問題ではありませんが、違いが存在することは確かなのです。
 けれども、そのような違いがあるにもかかわらず、私たちは順調に結婚生活のスタートを切ることができました。それは、私たちが肌の色や言葉、文化などを超えた人生共通の基盤を持っているからです。それは、イエス・キリストに対する信仰です。
 聖書に、次のような言葉が書かれています。

 けれども、私たちの国籍は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主としておいでになるのを、私たちは待ち望んでいます。
    (ピリピ人への手紙3章20節)


 私たちは、イエス・キリストを救い主として信じることで、日本人とアメリカ人としてではなく、同じ天国の国籍を持つ者としての関係を作ってきました。つまり、共通の価値観、人生観、生き甲斐を持つ、ということです。このような共通の土台があるからこそ、お互いの違いを楽しみ、毎日の生活の中で、お互いの中に今まで気づかなかった側面を発見しては、新鮮な驚きを味わっています。
 まだ、始まったばかりの結婚生活の中で、私たちは相変わらずさまざまなカルチャーショックを経験しながら毎日を送っています。けれども、「天に国籍を持つ者」としての自覚を持って、日本の文化でもアメリカの文化でもない、新しい「イエス・キリストにある文化」を創り出していきたいと願っています。

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