ゴスペルに出会って

粟野 めぐみさん
 私の両親はクリスチャンで、日曜日は何があっても教会に行く、そんな生活が当たり前と思って過ごしていました。ところが、中学生になる少し前から、反抗期がはじまり、ただ、親に言われたことをやるのはいやだと思うようになり、部活を理由に教会には行かなくなりました。同時期にギターを弾き始めたのがきっかけで音楽にのめり込んでいきました。大学にはいってからはベーシストとしてブルースなどの黒人音楽にはまり、ライブハウスなどで演奏してはお酒を飲んで、生活まで、ブルースを地でいっていたように思います。主人と出会ったのもその頃で、友達のバンドで演奏しているそのピアノを聞いて、すぐ、自分たちのバンドに引き抜きました。その後、彼が聞かせてくれた1枚のゴスペルアルバムがきっかけで、私の人生は大きく変わりました。そのレコードは、70年代ブラックゴスペルのオムニバス版で、中学生の時、通っていた日曜学校で、牧師先生にもらったものだそうです。それを聞いてからは何故か歌を歌いたくなり、ゴスペルについてもっと知りたいと思うようになりました。でも、当時は、まだ日本では資料も入りにくく、教会などでもやっていなかったので、その真髄に触れることはありませんでした。ただ、1つの音楽ジャンルとしてライブで歌ったり、そんなことしかできませんでした。アメリカに留学したのはそれから5年くらい経ってからです。そして、実際に教会のクワイヤーでゴスペルを歌っているうちに、そのすべてを知ることができました。「私は聖書の神を賛美しているんだ。この神が真の神様なんだ!!」その圧倒される程の神の迫りに私の心は完全に打ち砕かれ、生まれた時からのすべての出来事が神様によって、計画されていて、私がどんなに神様から離れていても、決して、見捨てず、今でも愛していてくれているんだ、ということがはっきりわかりました。そして、神様といない生活がどれだけ虚しく、頑張っても頑張っても、本当に喜べない自分がいることに気づきました。ゴスペルを通して、神様は私に一番大切な事、私がこの世に存在している意味を示してくれました。そして、私たち人間同士が愛しあう大切さ、または、分かち合う必要性、そして、何よりも、私達の罪や恐れ不安は、あの十字架での死によって、無くなったということを教えてくれました。そして、私の心にたくさんの奇跡を起こしてくれました。ゴスペルのパワーはそんな神様への感謝です。これからも、夫婦共に感謝する毎日を送っていきたいと思っております。

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