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『国の守りと未来のために祈ろう

2012.12.2 (SUN)
新城教会主任牧師 滝元順
ダニエル書10章10節〜12節

『ちょうどそのとき、一つの手が私に触れ、私のひざと手をゆさぶった。それから彼は私に言った。「神に愛されている人ダニエルよ。私が今から語ることばをよくわきまえよ。そこに立ち上がれ。私は今、あなたに遣わされたのだ。」彼が、このことばを私に語ったとき、私は震えながら立ち上がった。彼は私に言った。「恐れるな。ダニエル。あなたが心を定めて悟ろうとし、あなたの神の前でへりくだろうと決めたその初めの日から、あなたのことばは聞かれているからだ。私が来たのは、あなたのことばのためだ。』



 ハレルヤ!おはようございます。今のキッズゴスペル、すばらしかったです。でも、メンバーの内の一人、うちの孫がちょっと足を引っ張っておりました。彼女は昨日、我が家に来て、何度もリハーサルをしていました。うまくいくと思ったんですが、本番は難しいようです。どうも私に似て、恥ずかしがり屋ですけれども。なんか信用してくれていないみたいですね。
 クリスマスの季節になりました。十二月になりました。早いものです。巷にはクリスマスソングが溢れています。日本人も皆、イエス様の誕生を祝っているわけです。しかし、クリスマスは、イエス様の誕生日というよりも、サンタクロースの誕生日であるかのように思っているみたいです。サンタクロースのじいちゃんは、こんな風に、かなり年を取って疲れているのではないかと思います。

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 「体力の限界なんじゃ。もうこの辺で勘弁してくれ・・・」と言っていると思います。イエス様の誕生をお祝いしなければならないのです。

 今週から、クリスマスのいろいろな集会が始まります。こんなにイエス様のことを伝えるのに簡単な月はありませんから、ぜひ今週は、多くの人に連絡をしてコンサートに誘いましょう。次週は、恒例となっております、クリスマス・ゴスペル・ジャズコンサートがあります。あまり券が売れていないということで、私はちょっと焦っています。毎年、最後の一週間でチケットが売れるので大丈夫です。しかしただ人を集めるのではなく、福音を伝えるチャンスであるわけです。
 今年しか伝えることができない人もいると思います。誰かを教会に誘おうじゃありませんか。今週は豊根村でもコンサートがあります。様々なクリスマス集会があります。私たちの使命を果たしていきたいと願っています。
 ちょっとお隣の方に「このクリスマス、誰かに福音を伝えましょう!」と励ましてください。ちょっと啓蒙活動をやっておりますけれども。

 イエス様は今から二千十二年前にイスラエルでお生まれになりました。どこでお生まれになったかというと、ベツレヘムという小さな村でお生まれになりました。そして「ナザレ」という村で成長されました。
 実は先週、本当にさみしいことがありました。それは何かと申しますと、新城の名物「ナザレ」という、うどん屋さんが閉店したからです。「あぁ…」と、誰かが亡くなったかのように皆さん、愕然としておりますけれど、三十八年間営業されたそうです。
 あのお店は、新城市で福音の光を灯し続けていました。「ナザレとは、イエス様が育った村のことです」と、はっきりとお店に明記し、福音の光を灯し続けたのです。しかし、体力の限界なのでしょうか、吉橋さんご夫妻、三十八年、新城でよくがんばりました。私は閉店後お邪魔して、記念撮影をしてまいりました。

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 今日もご夫妻は礼拝に来られています。三十八年、よくぞがんばりました!福音の光を輝かし続けることは、すばらしいことです。

 また十二月は、別の意味がある月でもあります。特に、今年、日本は十二月、大きな転換期を迎えています。今週は、震災後はじめての衆議院選挙が公示されます。これからこの国は、どの方向に向かっていくのか、祈りを要する月だと思います。政党も多くあって、どこに投票したらいいのか分かりません。党首達の主張を聞けば、いい所もあるし、怖い所もあるし、不安もある今日この頃です。私たちは、真剣にこの国の守りと未来に対して、祈っていかなければならない時に来ています。
 クリスマスの喜びと共に、今年の十二月は、「日本のために祈る」という月ではないかと思います。

 今週は一つの記念日があります。それは「十二月八日」です。一九四〇年十二月八日、何があった日かご存じでしょうか。みなさんの中で今から流す放送を、実際に生で聞いた人はどのくらいおられますでしょうか。

「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。大本営陸・海軍部十二月八日午前六時発表、帝国陸・海軍は本八日未明、西太平洋において、アメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり。」

 実際に、ニュース速報を生で聞いた方はおられますか?おられますね。すごいですね。これは現実の世界です。私はこの放送をYouTubeで見つけたのですが、実際に聞いた人がここにもおられるわけです。
 今から七十二年前、日本が太平洋戦争を始めた日が今週です。四年半の戦いで、日本人だけで三百十万人が死んだのです。アジア全体では二千五百万人くらいの人々が亡くなりました。この短いニュース速報の後、本当に大変なことが起こったわけです。
 私たちは歴史に学ばなければなりません。二度と過ちを繰り返してはいけません。しかし、歴史は繰り返すと言われます。そうならないように、クリスチャンが真剣に祈らなければいけません。
 「うちのじいちゃん、いつも戦争の話している。嫌気がさした」と私の子どもの頃、よく言いました。しかし「太平洋戦争は老人たちの戦争だった」と誤解してはならないのです。今は老人かもしれませんが、当時は、青年だったのです。太平洋戦争は「青年たちの戦い」でした。
 最後は十四歳の少年たちまで、戦場に送られたのです。日本の未来のために真剣に祈る必要があります。

 私の父は愛知県北設楽郡津具村で生まれました。今週は津具村の隣、豊根村でゴスペル・コンサートが行われます。本当に山深い村です。日本にもこんな山深い村があったのか・・・というような、限界集落と呼ばれるにふさわしい場所です。
 親父は戦争が始まった頃、小学校六年生だったそうです。アメリカ人なんて、人生で一度も見たことはありませんでした。アメリカという国があることも、知っていたかどうか分かりません。
 しかし、この宣戦布告の後、あの山奥の村の少年に対してまでも、銃口が向けられたのです。国の方向性が、国民全員の未来を変えてしまうのです。
 ということは、国の未来のために祈って備えておかなければいけないということです。主が守りを与えてくださるように、前もって、祈るべきです。個人的な守りは、けっこう祈りますけれど、国の守りとか、未来のためにはちょっと祈りが不足しているかもしれません。

 守りの祈りは大変重要です。何週間か前、ヨブ記一章からこんな御言葉を紹介しました。ヨブ記一章九節〜十節、

『サタンは主に答えて言った。「ヨブはいたずらに神を恐れましょうか。あなたは彼と、その家とそのすべての持ち物との回りに、垣を巡らしたではありませんか。あなたが彼の手のわざを祝福されたので、彼の家畜は地にふえ広がっています。』

 ヨブの家は本当に祝福されていました。主によって守られていたのです。どうしてかというと、主が垣を作って敵が入ることができないようにしていたからです。しかしその後、サタンがヨブを訴えて、垣が破れたのです。
 その後、何が起こったのでしょうか?盗賊に出会うは、自然災害に会うは、病気になるはと、大変なことがヨブと家族に起こったわけです。
 神様が私たちの周りに、破れることのない垣根を作ってくださるように、まずは個人的にも祈らなければいけません。

 二週間前、宮崎で、韓国と日本が一つとなっての集会がありました。集会が始まる少し前、私の携帯電話にニュース速報が入って来ました。見たら、豊川の信用金庫に、強盗が入って、五人くらいが人質になっているというニュースでした。
 私たちの教会には、その銀行の関係者もおられますから、すぐに私は祈りました。また、豊川には新城教会の方々も多く住んでおられますから、巻き込まれていなければいいと思って祈りました。
 そうしたら、豊川に住んでいる一人のクリスチャンの奥さんからメールが来ました。「順先生!本当に感謝です!守られました!」というのです。何が守られたのかというと、あの犯行があった時間、彼女はその銀行にいたというのです。なんと強盗がATMに入って来た時、彼女はカウンターで手続きをしていたというのです。普通はメインの入り口、ATMのある入り口方向に出て行くのが、その日に限って、何か知らないけれど、反対方向の通用門から出たというのです。
 なんとその同時刻、ATMで犯人が一人の女性を人質にして、銀行に立てこもったわけです。彼女が左に行っていたら、もしかしたら時の人でした。神の守りがあったわけです。本当に、右に行くか左に行くかで、人生の分かれ目になるのです。常に神の守りの中で生きることが大切だと分かりました。
 でも、 私はその後、たいへん感謝しました。なぜなら、事件が起こったのは木曜日でしたが、水曜日の夜、銀行のある地域に行って祈らなければいけない気持ちになって、夜の八時くらいでしたが、私はその地域に行って歩いて祈りました。一つのテーマがあって祈りに行ったのですが、祈りながら「俺はなんで、こんな所で祈っているのか・・・」と思いました。「でも、こういう地域の為には、普通、あまり祈らんもんな・・・」と思いながら、歩いて祈って来ました。
 そうしたら翌日、あの事件です。びっくりしました。「もしかしたら、次の日の守りのために祈りに行かされたのかも知れない。」と思いました。そのことを伝えたら、びっくりされていました。キリストのからだの中で、お互い使命を与え、垣根を強くするのではないでしょうか。
 十二月は垣根を完璧に作っていただいて、主の守りの中で生活したいと思います。それと共に、この国の守りを確立していただけるよう、祈る時刻に差し掛かっていると思います。

 今日読んでいただきました聖書の箇所は、ダニエル書十章十節〜十二節です。これをリビングバイブルで読んでみたいと思います。ダニエルという預言者の所に、天の使いが現れて神のことばを伝えた箇所です。
 ダニエル書十章十節〜十二節

『すると、一つの手が、手も膝もがくがく震えている私を起こしてくれました。その時、その方の声が聞こえました。「さあ、だれよりも神様に愛されているダニエルよ、立ちなさい。これから語ることを、よく聞くがいい。神様が私を、あなたのところへ、お遣わしになったのだ。」そこで私は、まだ恐怖で震えながらも、立ち上がりました。その方は続けました。「ダニエル、恐れることはないぞ。 あなたが神様の御前で断食し、幻の意味を悟ることができるように祈り求めた最初の日に、あなたの願いは天において聞かれ、すでに答えられているからだ。その日に、私はあなたに会うため、ここに遣わされていたのだ。』

 ダニエルは当時、ペルシャという国に住んでいました。ある日怖い幻を見ました。周りの人たちはみんな、逃げ出してしまったようです。ダニエルも恐怖にうちひしがれて、立ち上がることもできなくなってしまいました。それは、将来起こるであろう、大きな戦についての幻だったというのです。彼は落ち込んで、その幻の意味をさらに深く知らせていただくために、神の前に出たというのです。
 同時に、この時期がどのような時期であったのかというと、世界史を見るとわかりますが、かつてバビロニア帝国という巨大な帝国があったのですが、その帝国がメド・ペルシャ帝国に滅ぼされ、国の支配はペルシャ帝国の支配に変わった時期でした。

 その頃、ユダの人たちはどこに住んでいたのかというと、バビロニア帝国の首都、バビロンで捕虜として苦しめられていました。しかし、ペルシャの支配に変わると、クロスという王様が神からの感動を受け、今まで捕虜としていたユダヤ人たちを、エルサレムに帰したのです。国の支配が変わったことによって、ユダヤ人は国に帰ることができたのです。
 国の支配が変わり、イスラエルの運命も変わったという、「時代の転換期」にダニエルはこの幻を見せられたのです。

 日本も転換期に差し掛かっています。これからどうなってしまうのか。もしかしたら、日本は昔と同じ道に戻って行くのではないかという、不安もあります。
 ダニエルも将来に対する大きな戦いの幻を見せられ、うちひしがれました。ダニエルもユダヤ人でした。同胞たちはエルサレムに帰って行ったわけです。この時、ダニエルは八十歳くらいになっていただろうと言われます。歳を取っていた為に、一緒には帰国できなかったのです。
 同時に、ダニエルは、ペルシャにおいて高い位に就いていたのです。ゆえに、簡単には動くことができない立場にあったという背景もあったようです。
 自分の同胞たちは帰って行った。時代は大きく変化している。大きな戦の幻を見せられた。果たして、これからどうなってしまうのだろう。という大きな不安の中で、彼は何をしたかというと、「断食して神の前に出て祈った」というのです。

 時々、私たちの人生の中にも「どうしたらいいだろうか・・・。どのような選択をしたら良いのだろうか・・・。右に行けばいいのか、左に行けばいいのか」と、本当に分からない時があります。人生では何度もそういう事柄に遭遇すると思います。
 そんな時、私たちは何をしたらいいのかを、ここから学ばされます。それは何かというと、「個人的に、神の前に出て、真剣に取り組んで祈れ。時にはダニエルのように、断食して祈りなさい!」ということを教えていると思います。「そうしたら、主は必ず祈りに答えてくださる」ということを教えていると思います。

 私も短い人生でありますけれど、短いと言いましても、今年で六十一歳ですが、やはりいろいろな事がありました。どうしようか!と思うことが何度もありました。けれども、私はそういう時に何をするかと言えば、必ず一人で外に出て行って、歩きながら真剣に主に祈るのです。「どうしたらいいですか。私にみ言葉を与えてください!選ぶべき道を教えてください!」と、真剣に祈るのです。そうしたら、必ず、主は答えを与えて下さいました。
 みなさんも是非、この方法を試していただきたいと思います。何か問題があったら、即、主の前に一人で出て真剣に祈る、そうしたら主は、祈りに答えて下さいます。
 いろんな問題があったら、まずは主の前に出て、真剣に取り組んで祈ることが、問題解決の鍵です。

 ダニエルという人物はペルシャにおいて高い地位にあった人物ではありましたけれど、所詮ユダヤ人であり、大国を動かすような、歴史を動かすような力はありませんでした。彼は自分の無力さと、小ささを知っていたと思います。状況は自分ではどうにもならないと。
 でも、そんなただ中、彼は歴史を動かす方法を知っていたのです。震える膝でひざまずいて祈る時、主が動いてくださるという、霊的法則を知っていたのです。
 私たちも日本の未来、どうなっていくのか不安です。各政党のビジョン、マニフェストを読んでも、どういう道に日本は行くのか不安です。
 今回の選挙では、「憲法改正」なんていう言葉も、かなり高らかと出ています。日本は戦後六十年以上に渡って平和が続いて来ました。やはり、憲法九条の平和条項があるゆえに今まで守られて来ました。こんなに長く、戦争がなく平和が守られたのも、日本の歴史では珍しいことです。しかしそれも、変わろうとしています。
 また領土問題なんかも、かなり微妙です。尖閣諸島問題も中国と強い摩擦があります。これから日本は独自で国を守らなければいけない、という考え方も強くなって来ました。
 アメリカもオバマが再選され、国内的にかなり内向きになっていることが分かります。「日本なんか構っちゃおれん。自分の国が大変だ」という感じです。そんな中、これから日本の選択は、たいへん難しいです。

 私たちは一国民として、何の力もありません。私が一票、誰かに投票した所で、何が変わるのだろうか、と思います。巨大な力が後ろに働いていて、全然歯が立ちません。
 しかし、どんなに弱く小さく見えても、ダニエルのように膝をかがめて主の前に出て祈る時、歴史の狭間のただ中、主は私たちを守られます。
 先ほど読んだ十章十二節に、み使いがこんな風に告げました。もしかしたら、これを語ったのは、旧約の時代に現れたイエス様かもしれません。

『「ダニエル、恐れることはないぞ。あなたが神様の御前で断食し、幻の意味を悟ることができるように祈り求めた最初の日に、あなたの願いは天において聞かれ、すでに答えられているからだ。』

 ダニエルは力強い言葉をもらったのです。時々、「私は長いこと、このテーマを祈り続けています。しかし全く、びくともしません。本当に神様は私の祈りを聞いてくださっているのですか・・・」という気分になる時もあります。
 私の幾つかの祈りの課題は、十年、二十年、いや三十年以上祈って来たけれど、まだ形となって現れていない祈りもあります。一方では、瞬間的に答えられるような奇跡を見る事もあります。「主よ。私の祈りが間違っているのでしょうか。あなたは本当に、私の祈りを聞いているのでしょうか?」という気分になる時があるのかもしれません。
 けれども、「わたしはちゃんと、あなたの祈りを聞いていますよ。」と言われます。すなわち、『ダニエル、恐れることはないぞ。あなたが神様の御前で断食し、幻の意味を悟ることができるように祈り求めた最初の日に、あなたの願いは天において聞かれている』というのです。

 ダニエルは三週間に渡って断食し、国の未来のために、自分たちの民族のために祈って来たのです。しかし三週間、主から何の答えもなかったのです。ダニエルは預言者でしたから、「神に呼べば神はすぐに答える」という素晴らしい関係だったのにも関わらず、三週間も答えがなかったのです。ダニエルにとっては異例のことでした。
 しかし、三週間後、告げられた答えは何であったかというと、「あなたが祈った最初の日に祈りは届いています」という祈りの原則でした。
 みなさんも、様々な祈りの課題を祈っておられるかと思いますけれど、祈りとは、長いこと真剣に祈ったら「うるせぇな、まぁ、なんとかするか」というのではなく、「祈った最初の日に届く」という事です。祈りの答えは決まっているのです。『御心の祈りは、すでに答えられたと信じなさい』と聖書は告げています。祈ったその日に、神の前に届いています。
 この事を信じようじゃありませんか!祈ったその日に、神はすべての祈りを聞いてくださっているのです。

 しかし、なぜ三週間も、答えが届くまでに時間がかかったのかについて、理由が述べられています。
 以前にも何回か、この事をお話しさせていただきました。ダニエル書十章を見ますと、十章十三節〜十四節に、こんな言葉があります。

『ペルシヤの国の君が二十一日間、私に向かって立っていたが、そこに、第一の君のひとり、ミカエルが私を助けに来てくれたので、私は彼をペルシヤの王たちのところに残しておき、終わりの日にあなたの民に起こることを悟らせるために来たのだ。なお、その日についての幻があるのだが。』

 ダニエルが神の前に膝をかがめて祈ったその日に、祈りは聞かれ、答えが天で用意されたのですが、答えが手元に届いたのが三週間後だったのです。その理由は、三週間、目に見えない天の領域で戦いがあったというのです。『ペルシャの国の君が二十一日間、私に向かって立っていた』というのです。
 この「ペルシャの国の君」というのは、当時、ペルシャという大国を支配していた暗闇の天使の長でした。そしてミカエルとは、イスラエルを守る光の天使の長でした。
 答えが遅れた原因がペルシャを支配してた軍団が、なんと神の側の軍勢に立ちはだかって、二十一日間も答えを天の領域で止めていたというのです。
 しかしそこに、イスラエルからイスラエルを守る光の御使いの頭、ミカエルと軍勢が攻めて来て、立ちはだかっている軍団をやっつけたのです。その時、答えが手元に届いたのです。
 ここに見えない世界と、見える世界がシンクロしている、同期している現実を見ることができます。

 私はいつも聖書の御言葉をみなさんに伝える前に、自分の解釈や理解だけでは危険ですから、日本には聖書を解き明かす優秀な先生方が多くおられますので、そういう先生方の見解を必ず、いくつか読むようにしています。先週も、ダニエル書十章をどういう解釈しておられるのかを、細かく聖書を解釈される先生のメッセージを読んでみました。その解釈にたいへん恵まれました。
 この記述は、目に見えない領域での戦いを表していると断言されていました。そして、見える世界のことだけに関心を持っていると敗北する、見えない世界で勝利しない限り、見える世界は変わらないというのです。
 私たちはちっぽけな、地上では力のない者に見えるかもしれないけれど、ダニエルが断食して三週間神の前に祈っていたのは、彼が気づいていたのか、気づいていなかったのかわからないけれど、天における戦いに天使たちと共に参加していたというのです。ゆえに答えが三週間後、現れたのだと語られていました。
 同時に、「パウロはダニエル書十章をよく知っていた」というのです。「ゆえにエペソ人への手紙六章十一節〜十三節を記した」と語られていました。

『悪魔の策略に対して立ち向かうことができるために、神のすべての武具を身に着けなさい。私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです。ですから、邪悪な日に際して対抗できるように、また、いっさいを成し遂げて、堅く立つことができるように、神のすべての武具をとりなさい。』

 パウロが、『私たちの格闘は血肉に対するものではない』と、気づかされたのは自分の働きと共に、ダニエル書の十章の記述をよく知っていた為だとありました。まさに歴史は、目に見えない戦いの投影として、地上に反映されるのです。
 私たちの周りで起こっている事柄は、すべて霊的な戦いの結果であるというのです。私たちがそのことを、どのくらい意識しているかどうかではないでしょうか。

 話はがらりと変わりますが、先週私は「NHKスペシャル」の録画を見ました。この頃、医学の進歩は著しく、今まで解決しないような問題が解決する方向に進んでいるという番組でした。前回もiPS細胞について話しましたけれど、革新的な事柄が数多く起こっているというのです。
 その一つが、「癌ワクチン」が開発されて、将来は癌ワクチンを注射してもらえば、癌にかからない時代が来るかもしれない、というのです。早くそういうワクチンができないかなと思います。
 今、日本では三十万人以上の人たちが年間、癌で亡くなるというのです。そして二人に一人は癌になるというのです。本当に恐ろしい時代です。明日は我が身かという感じです。癌にどうしてなるのか。
 そのNHKスペシャルの番組によると、体の中には誰でも時々、癌細胞が出来るらしいのです。しかし、人間の体には免疫システムという、守りのシステムがあって、「キラーT細胞」と呼ばれる細胞が癌細胞が出来たらすぐに攻撃して、癌細胞をやっつけるというのです。それで癌細胞は消滅し、健康に生きていくというのです。
 でも癌になるとは、キラーT細胞はあるけれども、癌細胞の増加が多すぎて、キラーT細胞の軍団が追いつかず、結局、癌細胞が増殖して死んでいくそうです。癌細胞という悪い軍団と、戦いの細胞を比べると、キラーT細胞と呼ばれる戦いの軍団が少ないというのです。いくら敵の陣地にミサイルを撃っても、癌細胞の増加の方が大きくて追いつかず、それで人は死ぬというのです。
 イメージ的にはこんな風だと言っていました。

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 この矢印がキラーT細胞らしいですが、癌細胞を攻撃している様子です。そしてこの下のが癌細胞らしいです。体の中でも常に目に見えない戦いが起こっているわけです。
 キラーT細胞が常にたくさん生産されるように祈らなければいけないと思います。癌ワクチンとは、体が癌細胞よりも多くのキラーT細胞を作らせる信号の薬です。体が「うわっ!敵だ!」と気づき、戦いの軍隊を用意すると、癌があってもやっつけて治ってしまうのです。それが癌ワクチンだというわけです。
 神がすでに与えてくださっている免疫のシステムが正常に機能し、健康が守られるように祈らなくてはいけないなと思いました。ワクチンを作るのはなかなか難しいらしいです。癌細胞と認識させる一つのタンパク質があるらしいのですが、それを特定してワクチンを作るのはたいへん難しいそう。しかし、今、日本の研究が世界の最先端だそうです。
 主が科学者にも力を与えてくださるように、祈らなくてはいけないと思います。元々人間の中には健康を保つ戦いの軍勢が備えられています。悪いものをやっつけるシステムがあって、見えない世界で勝利したら病気にならないわけです。
 見えない世界では、体は常に戦っているわけです。いい軍隊が負けたら悪い細胞が大きくなって、命を落とすかもしれないわけです。まさしく私たちの戦いは、目に見えない戦いです。

 時代の流れの中、ダニエルは「自分には全く力がありません。どうにもなりません」と膝をかがめて神の前に出た時に、「あなたの祈りを聞いていますよ」と語られました。しかし三週間も答えが来るまでに時間を要したのは、天において戦いがあったからでした。ペルシャの国の君が立ちはだかって、答えを届けることが出来なかったけれども、ミカエルが助けに来て、今やっと、あなたの所に答えを持って来たと。
 ダニエルも知ってか知らずか、断食しながら神の前に出て、天における戦いに参加していたのです。
 国の未来のことを考える時に、何ができるだろうかと思います?しかし膝をかがめて天の戦いに参加する時、歴史は変わっていくのです。

 近頃、日本が右傾化しているという指摘があります。アジアの諸国は日本を心配しています。「これから日本はどうなるのだろうか」と。
 憲法改正、国防軍、尖閣諸島に自衛艦を派遣するだとか、いままでなら過激な意見が普通に出ています。どうして日本は変わってしまったのでしょうか。
 でも、一歩引いて一連に起こっている事柄を見ると、「これって一体、真犯人は誰?」ということになります。
 前にも一度お話ししたことがありますが、日本が帝国主義に傾いていったのがいつからかというと、今から九十年前に起こった関東大震災以降だというのです。

 去年は、東北で大地震が起き、津波により、原子力発電所が壊れました。現政権に対しても不満が噴出し、日本が混乱しています。日本が弱くなった時、「こんな日本じゃ駄目だ。もっと強くならなくちゃ」と一致団結しました。そして今年、オリンピックがありました。オリンピックは放っておいてもナショナリズムが高揚するわけです。
 日本人はおもしろいですよね。自分の国の旗があまり好きではありません。日の丸を持っているおじさんやお兄ちゃんがいたら、あまり近づきません。日の丸に対して日本人は、ちょっと嫌悪感があるわけですよね。
 しかし、国から「今日、仕事場に日の丸を持って行け!」と言われたら反発しますが、サッカーの試合やオリンピックになったらどうでしょうか。自らほっぺたに日の丸を描いてしまうのです。このようにオリンピックは放っておいてもナショナリズムが高揚するわけです。

 去年地震があって、今年オリンピックがあり、オリンピックを中心軸に領土問題が発生しました。まずは北方領土にロシアの大統領、メドベージェフが来て、日本は怒りました。続いてオリンピックが後半に差し掛かり高揚している最中に、竹島に韓国の大統領が上陸したわけです。それで一瞬にして、日韓関係が悪くなりました。
 これで終わりかと思ったら、台湾ミッション゛近づいた八月、それも十五日の終戦記念日に尖閣諸島に香港の活動家が、中国の旗と台湾の旗を持って乗り込んできたわけです。当然日本は彼らを逮捕しました。その事が中国の大反発となって、中国中でデモが起こり、反日運動が高まって、あわや戦争にまでなりかけた時期がありました。それは今でも尾を引いています。そして、この衆議院選挙です。

 ちょっと落ち着いてフォーカスを引いて全体を見ると、これは国内外から出た問題のように見えるけれど、一体誰が仕組んでいるのか、誰が真犯人なのかということです。
 なぜ、こんな絶妙なタイミングでビシバシと、悪いことが重なるのか、とても人間の働きとは思えません。ペルシャの国の君と同じように、日本を支配する君、韓国、中国を支配する君という悪しき力が日本をもう一度悪くし、日本とアジアを不幸のどん底にたたき落としてやろうという、策略があるような気がしてならないのです。
 クリスチャンは日本において小さく見えても、こんな時にこそ、天における戦いに参加できる者であることを意識しなければならないのです。

 ダニエル書十章の所をずっと読んでいくと、ダニエルは天における戦いを知らされた後、もう一度、主が触れてくださったと記されています。十章十八節〜十九節を分かり易くリビングバイブルで読んでいきましょうか。

『その時、もう一度その方が私に触れてくれました。すると、なんだか元気を取り戻したような気がしたのです。その方は言いました。「神様はあなたをだれよりも愛しておられる。だから、恐れるな。気を落ちつけて、しっかりするのだ。」このことばを聞くと、急に力がわいてきました。「主よ。どうぞ、先を続けてください。あなた様が力づけてくださったので、もう心配御無用です。」』

 天における戦いにおいて知らされた後、ダニエルは『元気を取り戻した』というのです。そして言われました。『「神様はあなたをだれよりも愛しておられる。だから、恐れるな。気を落ちつけて、しっかりするのだ。」』と。
 ダニエルは現代においては私たちクリスチャンを表しています。いろんな不安があるかもしれませんけれど、天の戦いに参加すると、主はもう一度触れてくださり、元気を回復して下さいます。そして「神様はあなたを誰よりも愛しておられます。だから、恐れるな。気を落ちつけて、しっかりするのだ。」と告げられます。
 私たちクリスチャンは、主から愛されている者です。新改訳では、

『神に愛されている人よ。恐れるな。安心せよ。強くあれ。強くあれ。』

 「強くあれ。強くあれ。」と二回も励まして下さっています。ダニエルと同じように、見えない世界の戦いに参加する、すなわち、膝をかがめて主の前に祈りなさいと、主は語っておられるはずです。
 しかし、十章二十節〜二十一節にこんな風に書かれていました。

『なぜ私があなたのところへ来たか、知っているか。『未来の書』に書かれていることを知らせるために、ここにいるのだ。それから、ここを去り、再びペルシヤの君主と戦うために帰って行く。そのあとで、ギリシヤの君主とも戦う。あなたの同胞イスラエルを守る天使ミカエルしか、私を助けてくれる者はいない。』

 これは、ある意味、神様の嘆きです。『あなたの同胞イスラエルを守る天使ミカエルしか、私を助けてくれる者はいない。』と。一緒に戦ってくれる者がいないのを嘆いておられるのではないでしょうか。第二歴代誌 十六章九節、

『主はその御目をもって、あまねく全地を見渡し、その心がご自分と全く一つになっている人々に御力をあらわしてくださるのです。あなたは、このことについて愚かなことをしました。今から、あなたは数々の戦いに巻き込まれます。』

 私たちが悪しき戦いに巻き込まれないためには、主と一つになることです。神の御心を掴み、主と心を全く一つにしたら、問題に巻き込まれないのです。
 主の心と一つになったら、苦しみからも守られ、完璧な守りがあることを教えていると思います。「おまえもこの戦いに一緒に参加してくれるか?」と主は呼びかけておられます。
 日本が危機に面しているこの時期に、私たちはしっかりと心して、この国の守りと未来のために祈っていきたいと願います。

 今週は選挙が公示され、十六日は投票日です。その後、誰が政権を取るのかはわかりませんが、天における戦いに参加し、神の御心をしっかりと握ったら、戦いに巻き込まれることは決してありません。この御言葉を掴みたいと思います。そのために、主の前に膝をかがめて祈りたいと思います。

 そこで今朝は、みなさんに一つの提案があります。ダニエルが断食して、主のみ前に三週間祈ったように、私たちも三週間断食して祈りませんか?
 「えっ、いやだよ。あんただけやれ」と言われるかもしれません。ある人は「ちょっとそれは厳しい」と思うかもしれません。しかしある時は断食して祈ることは、たいへん重要です。
 今日は三百人以上の方々が来られていますから、全員が一日断食したって、ダニエルの断食を遙かに超える、一年分の断食になります。国の未来のために断食して祈ろうじゃありませんか。また、このような時にこそ、人々に福音を伝えなければなりません。
 断食してこの国の未来のために祈るのと、誰かに福音を伝える。これは絶対に主と心が一つになっています。

 「断食かよ。厳しいな・・・」と思わないでください。ダニエルの断食はどういう断食なのかをよく見てみましょう。私たちは断食と考えると、ご飯を食べないで、水だけ飲んで、「あぁ、つらい。カツ丼が食いたい。ナザレが食いたい。」となるのですが、そうではないのです。
 十章一節〜三節を読むと、ダニエルがどういう断食をしていたかがわかります。

『そのころ、私、ダニエルは、三週間の喪に服していた。満三週間、私は、ごちそうも食べず、肉もぶどう酒も口にせず、また身に油も塗らなかった。』

 ダニエルの断食は「ごちそうを食べない」という断食でした。これも立派な断食なのです。今週はどういう断食をしましょうか?それはごちそうを食べないという「ダニエル断食」を試してみましょう。
 「今日はカツ丼にしようか、ラーメンにしようか、どっちにしようか。」という時に、ラーメンがごちそうだと思う人は、カツ丼を選び、カツ丼がごちそうだという人はラーメンを選べばいいわけです。
 それはこころを主に向けるという、神の前に出ることを意味します。主がその祈りに答えてくださると信じます。簡単な断食ですね。断食によって、キラーT細胞も増えるのかもしれません。ダニエルにならって断食して、この国の未来と守りのために祈り福音を伝えましょう。日本の未来は主の御手にあります。

 最後にみなさんと一緒に、決断を持って、聖餐式を行いたいと思います。一言祈ります。

 ハレルヤ。天の父なる神様。御名をあがめて心から感謝します。今、日本が歴史的転換期に差し掛かっています。主よ、私は小さな者で、何をしたらいいのかわかりません。けれども、私たちに何をしたら良いかの、鍵を与えてくださっていることを心から感謝します。
 主よ、どうか日本にリバイバルを与えてください。その祈りはすでに聞かれていることを心から感謝します。
 しかし、なおも戦いが必要であることも感じています。主の前に出て、祈り深い週とさせてください。ダニエルと同じように断食を持って、主の前に出て行きたいと願っています。この国の未来を守ってください。支えてください。この国に、祝福とリバイバルが訪れますように。
 まず主よ、あなたと心が一つになれるよう導いてください。
 今日はあなたが私たちのために流してくださった十字架の血潮を感謝し、今から聖餐式を持ちます。決断と共に聖餐式を持ちますから、この聖餐式を祝してください。すべてを心から感謝して、イエス様の御名を通して、主の御前に祈りをお捧げいたします。アーメン。